
株式会社まきはたは、日本海に浮かぶ隠岐諸島の海士町にあります。海と山と畑に囲まれ、適度に町民同士の顔が見え、自給自足的な生活を送っている、人口2300人の小さな島です。

社名の由来
島では昔から「牧畑(まきはた)」という公共牧場を利用した牧畜が行われていました。「牧畑」とは、山を柵や石垣で区切り、牛の放牧、大豆、稗・粟、麦などを順番に栽培して、効率よく輪転する (くるくる回す) 農法です。牛を放牧することで、排泄される糞尿が土地の栄養を回復させ、再び作物を栽培できるという効果がありました。
地力の乏しい地質でも持続可能な営みができるよう、 先人たちの知恵により生み出された農法です。この「牧畑」は、人と牛と自然とが共存できる素晴らしい農法だと感じ、社名にも「まきはた」という名をつけました。

畜産の課題
私たちは、もともと和牛の子牛生産事業(畜産)を行っていましたが、次の2点を課題と捉えておりました。
1. 輸入飼料に頼る和牛生産
大量生産と安定供給という市場の要求を満たすため、牛の飼料の大部分は、輸入飼料に頼っています。飼料輸送時にCO2が排出され、地球温暖化の原因にもなります。また、飼料などの穀物生産がその生産地の環境に与える影響には、土壌の劣化や流出、有機物の分解促進による土壌中炭素の放出など地球規模での環境悪化に拍車をかけています。

2. 最終消費者の顔が見えない
生産者は、製品がどこへ行くのか見届けることができません。また消費者にも、目の前の商品がどのような人や場所で育てられたのか、実態がわかりません。

そこで、私たちが20年近く続けてきた畜産の抱える課題解決の糸口として、新たに牛乳生産事業(酪農)を始めました。
・Regenerative Farming(環境再生型放牧酪農)
・Your Local Dairy(会員制乳製品販売)
これが私たちの牛乳生産事業(酪農)のスタイルです。

ミッション
私たちは、海士町で
食料の小さな自給経済圏をつくりたいと考えています。
食料の小さな自給経済圏では、次の2つのことが行われています。
1. あるものを活かし切る農業生産
2. 食料の生産者と消費者の距離が近い

輸入飼料にたよることなく、島で牛の餌を自給することを目指します。牛と共生しながら、地球を回復させるRegenerative Farming(環境再生型放牧酪農)という手法で、「(島の)あるものを活かし切る農業生産」を行います。

Your Local Dairy(会員制による地域に根ざした乳製品の販売)という方法で、誰が作り、誰が食べるのかがわかるような、食料の生産者と消費者の距離を近づけます。

まきはた牛乳を通じて、
自然のリズムに耳を傾け、人と牛もみな環境と調和しながら、人とのつながり地域とのつながりを大切にしながら、生きてゆきたいと思っています。